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玻璃草子 VOL1

昨年秋の記事ですがもう一度出してみます。
この曲はライブでは一度も演奏していないようなので、
ご存知ない方のためにももう一度出しました。



『玻璃草子』  好きな唄です。

この詩の意味を完璧には解らないし、こんな恋愛もしたこともないし、またしたいとも思わないけれど、
この世界が好きです。
わざわざ文語調にした理由は、その方が少ない言葉で沢山の思いが込められるから響きがすきだから  だそうです。

『桐の花』を歌うときよく引用されます

  きみかへす 朝の鋪石さくさくと
 
       雪よ林檎の香のごとくふれ
           北原白秋 歌集  ”桐の花”



ライナーノーツによると、この歌に触発されて初め 『後朝』 という題で作ろうとしたが {生} に過ぎる気がして変えた。

とあります。
『後朝』 という表現は生々しいでしょうか?そうかも知れません。

「きみかへす」 だけで様々な事が想像できます。
「きみかえる」 ではない二人の関係もよく分かります。


『玻璃草子』では

「ぬばたまの」・・・・・・・・・・黒、 夜、  黒髪などの枕詞

「褥」・・・・・・・・・・・・・・寝るときに敷く寝具、布団ということですね。

「貸せるこの腕」・・・・・・・・・腕枕してあげていたのでしょう。

「躰温」・・・・・・・・・・・・・「 ぬくもり」 と読みます。

「後朝」・・・・・・・・・・・・・読んで字の如しですね。

「侘びぬれど」・・・・・・・・・・侘びは動詞「わぶ」の連用形、想いわずらう、悩むという意味

「水無瀬川」・・・・・・・・・・・水の流れていない川底だけあって水は地下を流れる川
                 ということは、公には出せない隠れねばならない恋ということでしょう

「みだるべくもなく」・・・・・・・「乱る」とは書かなかったのです。
                  君という人でなければこんなに恋焦がれ自分自身を無くす程心乱れることもないのに                 
「降る雪に   梅の白」・・・・・・どちらも白、汚れていない綺麗さ、純粋さを表現しているのかしら。

「玻璃細工の花なりき」・・・・・・・ガラスで出来た花のようにちょっとした事で壊れてしまうような儚いもの

「手折りなば割れる」・・・・・・・・自分のものにしようと手にしたら、それは叶わず割れてしまい手を切って傷つけ合ってしまうような恋

私の勝手な解釈です。
さださんのトークを聞くと、白秋の恋愛模様が分かるので、この歌の心情も伝わります。
しかし実際の白秋の恋はとても激しく、美しいとか儚いとか称されるものではなかったようです。
貫通罪で投獄されてまで手に入れた恋なのに、半年で別れてしまってるのです。
今で言うなら「不倫」なんでしょうが、そんな事思わせないさださんの詩とメロディーの美しさです。
   

        玻璃草子

ぬばたまの君が黒髪の  褥に貸せるこの腕の
躰温も未ださめやらで  後朝の別離する

侘びぬれど  恋は水無瀬川 君ならでみだるべくもなく
振り向けば朝降る雪に 散りまどふ梅の白

あわれ君に咲く愛は  玻璃細工の花なりき
手折りなば 割れるいとしさよ
その指を切る かなしさよ

       

自由飛行人の二人が演奏してくれました。
少し涼しくなってきた秋の夜、ゆっくりと味わって下さいませ。


夢さんが、ピアノ演奏で表現してくれました。
切なくなる美しい演奏ですね。夢さん独自のアレンジも感じられます。 


「Glass Age ?硝子の世代?」というアルバムに収録されています。

メロディーを同時に弾くというのは意外と難しいものです。

普段は伴奏とかバッキングだけを弾くことが多いので…。
      竹内  久人


海の月くんが ギターソロで表現してくれました。
歌わないギターのみの海君もいいですね。ギターのみの綺麗な、少し尖った感じがこの曲の儚さをより感じさせます。


主旋律はスラーを意識して切ない感じを出そうと試みました。
「金属の部屋」で弾いているようなエフェクトをかけてみました
。   窪田  光



追記
昨夜遅くに「玻璃草子に付いて記事書いています。ピアノ演奏で聴いてみたいわ」
と夢さんに言った一言で早速、演奏してくださいました。

そして、お願いするのを躊躇っていたら、何時の間にやら海君まで演奏してくれていました。

自由飛行人の二人ありがとうございました。

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不思議

おはようございます♪
昨晩寝しなに「玻璃草子」が急に聴きたくなってアルバム「Glass Age」を聴きながら床につきました。
今朝、ここに玻璃草子のことが書かれているので驚きました!!

先日のコンサートでも「きみかへす・・」話されてました。

違う形の自由飛行人 

夢の轍君のピアノ演奏
海の月君のギター演奏
別々に弾いているのに重なって聞こえます。
それぞれの演奏が心に馴染みます。
胸にジーンときました。

こういちままさんのきめ細やかな瑠璃草子についての
書き込みがまた素晴らしい。
歌詞を見ながら、解釈をみながら二人の演奏。
ありがとうございます。

No title

ありがとうございます。
バックナンバーから探そうと思っていました。

耳から聞くだけでは 解釈のようなところまで気づかなかったところもあり 改めて聞いてみます。

No title

ありがとうございます!うーん久しく聴いてなかった曲でした。ままさんのひとつひとつの言葉を探しながら、お二人の演奏聞かせていただきました!888888888888のせかいでした!

ユーチューブでさださん探した私は、少しだけ駄目な感じですね^^;

三男のいまどきの行動に、カチンときてままさんのとこにいます!

だから、今日はかきこみも沢山で。  すみません。母がいない分ここで甘えてしまいます・・・ごめんなさい^^;
  
  









 


ときて、ままさんのところに





 






はぁ~!

よ~く読んでみると、すごい恋ですね。
『古今和歌集』で習った言葉が数々ありますが、難しいです!
「ぬばたまの」は、黒を表してるのですね。
「しろたえの」は、白を表して雪とかですよね。
「天の香具山」を思いだしました!「水無瀬川」ってそう言う意味もあるのですか! 
枕詞は奥が深いですね・・ 硝子細工のようなとか・・

北原白秋も燃える恋ですが、画家の竹久夢二も似ているところがあるような気がします。
(絵画はいろいろ見ました)

さださんは、よくぞこの世界にまで入れますね。凄過ぎます。

言葉なくします

こういちままさん、昨年秋に書かれた記事を再度登場させてくださって、どうもありがとうございます。一読させていただき、正直言葉なくしました。私は、たださらっと聞いていただけで。玻璃草子は、深いですね。単細胞の私は、長崎=ビードロ細工を思っていましたので。
深い恋はたぶん熱すぎて、それこそ燃えるのでしょうか?
私は風のような恋、旅人のような?

管理人返信

v-339keikoさん  いらっしゃい

一年前のまで引っ張り出してしまいました。
この曲が大好きで読んで欲しかったのです。

v-339うめままさん  いらっしゃい

何があってもお好きなように書いて下さって構いませんよ。
晴れの日もあれば雨の日もあるしけど、明けない夜はない。
どんなに厳しいい冬でも、必ず春は来ます。

人生色々なことがあります。
私だって、毎日元気なわけじゃないし、情けない日も、腹の立つ日も、怒りたい日もあります。
でもブログに向かうと、自然と前向きな事を書こうとする自分がいます。
それは取り繕うとか嘘を付くとか言うのではなく、その方が自分が安心するし、楽になれるのです。
辛いことや、批判や、怒りばかり書くと自分でも余計に辛くなります。

怒らなければならない時にはちゃんと怒りますし、批判すべき事は批判しますが、なるべく、明るく前向きでいたいと心がけています。

ですから私は大丈夫ですから、気にせず愚痴っていいですよ。
憚られるようでしたら、非公開でも、メールフォームでも良いですから。

v-339プラタナスさん  いらっしゃい

一年前の記事までお読み下さってありがとうございます。
本当にさださんは凄すぎます。超人でしょう。
白秋が大好きなのはずっと仰っていますが、
白秋を超えていると私は思っています。
だって白秋は曲を書けませんもの・・・


v-339まゆきさん  いらっしゃい

「玻璃」は「ガラス」と読み、瑠璃、玻璃として昔から大切にされてきたようです。
実はこの「玻璃」を調べたことがあって、その時に「ラピスラズリ」を知りました。
『Sada City』 の「美術館」でラピスラズリが出てきた時に、あ~~これ、「玻璃草子」だと思いだしたりしました。

そんな風にさださんの詩は勉強と言うか知識も得られます。

熱い深い恋は、きっと傷も深く大きいのでしょうね。
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